今日、ファッションに意味や意義を強く求める潮流には目を見張るものがあり、それ自体が1つのトレンドのようでさえあります。 ファッションとは何でありどこへ向かうのか。と言う問いを考察する時、そこには1つの答えは存在せず、多様性に溢れた姿勢のみが在るのではないでしょうか。
デザイナーのクリエイションをそれぞれ固有のステイトメントと捉えることができれば、一見、難解で複雑な各シーズンのコレクションは一つの物語や思想の様に明確な意味を持って繋がっていることが見て取れると思います。イザベラ・ステファネッリが自身の名を関したコレクションを初めてパリで発表してから、3年余りの時間が経っていました。
7回目のコレクションとなる season_VII (19AW) ” Crossways “ 自身が暮らす英国に思いを馳せたコレクションタイトル「crossways」は、日本語に直訳すると「交差する」「横切る、交錯する、縦横に」や「岐路」といった様々な意味を持つ言葉です。
自身を取り囲む環境が目まぐるしく変わり続ける日々の中で、ふと手を止めたときに目に入る情景、そして、揺れ動く感情までをも認め内包することで向き合えた、彼女というフィルターを通した世界の在り方や関係性を表現した言葉です。