Nigel Cabourn
USMCキャップをベースとしたデザインですがバイザー、トリムの形状が特徴的なベーシックキャップ。 HERRINGBONE 通常の綾織は平織に比較して引き裂き強度に優れていますが、それをさら に全方向に強化したのが向きの異なる綾を互い違いに配置したヘリンボーン です。その強度の高さによってミリタリーウェアに多用されるポピュラーな 組成です。見慣れたファブリックですが、私たちが出会った1 着は違和感を 感じさせるものでした。通常ヘリンボーンの綾目は互い違いのどちらか一方 の綾の目が立ち、くっきりと見えますが反対方向のそれは沈んで見えるもの です。それはファブリックに使われている糸が一方方向に撚られている事で 必然的に生ずる現象です。 しかし、そのヴィンテージは両方向とも綾目がしっかり立っていて、まる で色柄物のようにはっきりと織り柄が見えました。 推測できる原因はたったひとつ。 S 撚りの糸とZ 撚りの糸、即ち撚糸方向の異なる2 種類の糸を綾の方向性 に応じて交互にタテ糸として掛ける事。 解析の結果も推測通りでした。 目視では区別が困難な2 種類のタテ糸を互い違いに掛けるのは大変な手間 を要します。しかしこうして織り上がったヘリンボーン組織は通常のそれよ りさらに強靱な性質を発揮します。言い換えればミクロの単位まで遡って究 極の機能性を求めた結果の産物である訳で、まさに使いやすく強靱なものは 増々ブラッシュアップされ、使い難いものや少しでも無駄なものは容赦なく 削ぎ落とされ、究極の機能性のみが生き残るミリタリーヴィンテージの神髄 に触れるようです。
1949年イギリス生まれ。 17才でニューカッスル・アポン・タイン大学のファッション学科に入学。 ファッションキャリアのスタート地点に立つ。 カレッジの最後の年に自らの会社"CLRICKET CLOTHING LTD."を起ち上げる。 3年後にはパリで行われたメンズウェアショー"S.E.H.M"に出展。ハリス・ツイードを使ったコレクションを発表。 本格的に海外への展開を開始。 1996年ロンドンのコベント・ガーデンにNigel Cabourn一号店をオープン。 ナイジェル・ケーボンのコレクションは現在ふたつのラインで展開されている。 ひとつは日本で生産されている。"Main Line メイン・ライン"。もうひとつがイギリスのメーカーで可能な限りイギリス産の生地を使って生産する"Authentic Line オーセンティク・ライン"である。 どちらもナイジェル自身によるデザインとなっています。
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