辻 石斎
元々は北大路魯山人が中国大陸で発見した馬上杯を元にして2代目辻 石斎のもとで完成された代表作でもある唐人碗。 その唐人碗の原型になったオリジナルの馬上杯は銀で描かれた特徴的な唐三彩に見られるような人物画を 山中色漆で繊細に描き表現した作品。 手間の掛かる製法、職人技を駆使し完成した作品は自然と人間の唇に沿う様な素晴しい口当たりをご体験頂けます。
色漆は気温や湿度により発色が異なるため、熟練の経験則がなければ色を合わせることは困難とされる。 その色の狂いを最小限に抑える為、複数制作する際は、1日1色ずつ全ての椀に同色のみを着彩しながら仕上げていく。繊細で神経の張りつめる職人技を駆使し完成させる様はまさに伝統工芸。
1木でも完成可能な胴と脚部だが、あえて手間のかかる2木を別仕上げにして組み合わせている。 これにより漆器特有の個体差と歪みを抑え、より精密で狂いの少ない妥協のない仕上げを実現している。